『卒業』を「青春映画」と定義することには、ちょっと同意できない。というのも本作は、そのタイトルが示す通り、大学を卒業した後の「ポスト青春」に訪れる無気力、堕落、そして迷走の話だからだ。 主人公ベンジャミンは大学を卒業後に […]
2019年に出た新刊としてはベストに数えられるべき作品。 話に筋らしい筋のない、男子高校生の日常を描いた1話完結型のシュールギャグなので、面白さを文字で伝えるのは少し難しい。最初に読みながら思ったのは「これは大事に読みた […]
カメラも人もほとんど動かない映画である。時折、静止画を映しているのかと思うほど画面が止まって見えることがある。眠っている人間を何秒間もただ映しているカットもある。そのため、映画の時間の流れは極めてゆったりしたものであり、 […]
最近の話のクオリティのバラツキが激しくなっている感じはする。13巻くらいまではかなり安定している印象だったのだが、告白のあたりから路線がまた変わってきているし、ネタ的にも再生産的な話が目立ってきた。 個人的には17巻は前 […]
『かぐや様は告らせたい』は今や多くの人が知っているマンガタイトルだと思うが、小田島三郎に関しては多くの人が「誰?」となるであろう。彼は別名を「渋谷のサンちゃん」と言い、いわゆる「ラーメン回」に出てきたラーメン四天王の一人 […]
ジョン・カーペンターの学生時代の自主制作映画である超・低予算SF。 宇宙空間を寂しく旅する4人の乗組員たちが、ちょっとナンセンスな会話をしたり、色々なハプニングに巻き込まれたり、暴走したAIを説得したりするコメディである […]
当初、飯テロスピンオフとして『中間管理録トネガワ』に続き、鳴り物入りでスタートした『1日外出録ハンチョウ』だが、最近はすっかりグルメマンガから脱却(脱落?)し、飯以外のエピソードばかりになってきた。 そんな『ハンチョウ』 […]
これはダメでしょう。全編を通して実に器と中身が噛み合ってない。『メン・イン・ブラック』という車に、誤って灯油を注いでしまったような感じ。 今回は本編主演の2人が完全に不在のスピンオフ。ウィル・スミスもトミー・リー・ジョー […]
人生は逆説的だと思いませんか。大成功を目指すと力んで失敗するけど、適当にやるとうまく行く。儲けようと思うと金が減るけど、気楽にやると預金残高が増える。好きな人は離れていくけど、興味ない人にはモテる。 『トッツィー』の主人 […]
ここ数年で急増、というか濫造されているスピンオフ漫画の中でも随一の完成度を誇る、『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ作品。ギャンブル漫画『カイジ』の初代中ボスであり「Fuck you. ぶち殺すぞ・・・・・・ゴミめら・・・・ […]
地獄のミサワのエキセントリックな作風や、ニコニコ動画などでの破天荒な振る舞いから、作家自身も常人の思考パターンから逸脱した奇人のように映っているかもしれない。しかしこの『いいよね!米澤先生』を読むにつけて、やはり地獄のミ […]
地獄のミサワ伝説の始まりとなる、インターネットで話題となった出オチ1コマ漫画「女に惚れさす名言集」をカラー収録した単行本。いくつかは描き下ろし。全ページカラー収録してこの価格はお買い得にも思えるが、別にほぼ全作品がミサワ […]
地獄のミサワのナンセンスなセンスが奔放に発揮された豪作。個人的には彼の最高傑作だと思っている(現時点で3作品しか発表されてないけど)。 ストーリー漫画でも四コマ漫画でもなく、奇才ミサワの創造による、ズレまくったキャラクタ […]
普段はユーモラスな掛け合いたっぷりに、モラトリアムにある女子大生の野放図な日々を描いている「日常系」なのに、時折、不意に、青年たちが自己実現に対して抱いている安易な願望や甘えをグサリと突いてくる。『ネムルバカ』はそんな作 […]
親子関係は、子供が幼児期、思春期、青年期と成長するに従い、蜜月、対立、倦怠、昵懇へと変化するのが1つのモデルと言えるだろう。そして20代半ばにもなれば、親の苦労も分かり自分も生活力を持ち、また親も過度に世話を焼く必要がな […]
「油断するなよミギ。慎重に事を進めよう」 「百も承知さダリ。慎重に事を進めよう」 『ひとりの人間として』 佐野菜見『ミギとダリ』1巻 そのリズムが見えるかのようだ。『ミギとダリ』は、律動と対比の喜劇である。 右と左の双子 […]
「画太郎が『罪と罰』を漫画化する」 既にこの行為自体が、最大レベルの作品への冒涜を予感させ爆笑である。タイトルだけで相当とんでもないことになっているのだが、1巻の表紙がこれまた酷い。別人のイラストレーターに描かせた堂々た […]
萩原天晴『1日外出録ハンチョウ』1巻 スマッシュヒットした『中間管理録トネガワ』の安直な水増しかというと、全く違う。笑えるし、ふざけた調子とは裏腹に、意外と深いテーマを含んでいる。人によっては、むしろこっちの方が面白いと […]
「画太郎と芸術」これほど似つかわしくない組み合わせもない、と考える人も多いかもしれない。画太郎の作風はあまりにも破天荒であり、型破りという次元を超えてもはや、マンガをバカにしていると怒り出す人もいるほどだ。彼の作品内にお […]
画太郎の作品は常に犯罪的であった。彼はあらゆる道徳や倫理を冷笑し、ドラマツルギーを捻じ曲げ、霊長類の把握し得る論理を超えた次元において、マンガを犯罪的芸術へと昇華させてきた。しかしこの『星の王子さま』を以って、画太郎の作 […]
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