Google Chromeから離れる

2021/12/12 ・ PC ・ By 秋山俊

Google Chromeを長らく愛用してきた。これまでの人生で最も長く使ってきたWebブラウザであることは間違いない。

2008年にリリースされて以来、ChromeはWebブラウザの常識を、ことごとく上書き保存してしまった。シンプルで洗練されたデザイン、当然のように実装されたタブ機能、Googleアカウントとの連動、拡張機能、レスポンスの快適さ、オムニボックス……登場直後、その圧倒的な利便性に驚き、Firefoxをうらぶれた恋人のように打ち捨て、ChromeはWebブラウジングの未来そのものであるように思われた。

実際、statcounterの2009年から2021年までの使用率統計を見ても、Chrome(下図の緑色)が急激に勢力図を塗り替え、支配を不動のものにした様子がわかる。現在、Chromeの使用率は64%でダントツである。これにはAndroidスマホ普及の影響も甚大だ。

statcounterによる統計。緑:Chrome、青:IE、橙:Firefox、灰:Safari

ちなみに私のメインブラウザの変遷は、IE(-1999年)、BugBrowser(2000-2002?)、Firefox(2002?-2008)、Chrome(2008-2019)となる。細かく見れば色々なブラウザを触っているが、メインはこんなところだ。

Chromeは10年以上使い続けてきた。単に使い勝手がいいだけでなく、私のようにWebのコーディングしている人間にとっては、ソースコードを細かく検証する機能などがついている点もポイントが高かった。

しかし2010年代後半から、「Chromeが本当にベストなブラウザなのか?」という疑念が常にあった。特にChromeがシェア50%を超えたあたりで、トップシェアゆえの硬直性、保守性といった負の部分が見え始めた。他のブラウザの追従によって、Chromeの優位性の多くは消失し、あるいは追い抜かれ、それと同時にChrome特有の欠点が目立つようになった。私に関していえば、乗り換える最後の数年は、替わりを探しながら仕方なく使っているという状況であった。

Google Chromeの問題点

最近のChromeは、圧倒的な拡張機能の資産などを持ちつつも、拡張を抜きにした機能性やカスタマイズ性に関しては、残念ながら時代の最先端を走っているとは言い難い。というか、かなり後退している。拡張機能はなるべく入れずに動かすのが快速かつ安全であり、基本機能がどれだけ充実しているかは、常に重要な指標である。

さらにブラウザとして重すぎる。登場直後は軽快さがウリだった気がするが、いつの間にかデブ・ブラウザNo.1決定戦で選手宣誓するくらいの代表格になってしまった。Chromeがメモリを喰いつくす様子はまるで獣である。最近のアップデートでメモリ使用量が削減されたが、それでも平気で2GBくらい食ってしまうダボハゼ・ブラウザなのだ。

2GBと言えば、かつて重い重いと言われたWindows Vistaが丸ごと動いてしまうくらいの容量だ。サブ落ちしたLinuxマシンやRaspberry Piなどで動かすは当然厳しい。私のマシンの全てでChromeを使うことはできず、一貫性は既に崩壊している。また私のように動画編集している人間は、PhotoshopやPremierの処理をしながら、編集テクニックをブラウザで見る、といった同時処理を行うので、動作は軽いに越したことはない。

また近年ではトラッキングをはじめとするプライバシー問題が浮上しているが、Chromeに依存する限り、この問題から逃れることは容易ではない。なぜならGoogle自体が極めて中央集権的な存在になってきており、ChromeはあらゆるGoogleサービスと連動すべく作られているからである。

Chromeはこの問題に関して保守的だ。他のブラウザに触るとそれがよく分かる。YouTubeのホーム画面で、最近自分が検索していたワードに関わる動画がレコメンドされてくることを不気味に感じる人は多いだろう。

Chromeを超えるChrome、Vivaldi

Chromeはだいぶ前から特権的なブラウザではない。したがって、長年のユーザーであってもChromeに依存する必要はない。

他のブラウザ、たとえばVivaldiのようなブラウザは、現在ではほとんど「Chromeの上位互換」のような存在であり、その機能を全て継承しつつも、今まで挙げたChromeの欠点をほぼ克服している。拡張機能すらそのまま使える。したがってChromeを使ってVivaldiを使わない理由が見いだせない。私は、Chrome使いはVivaldiに乗り換えたほうが幸せになれると思う。

しかしどんなブラウザを使うにせよ、「ブラウザはxxxx以外は絶対あり得ないんだ」などと決めつけず、常に柔軟に考えた方が、長いネットライフにおいて快適さが増すだろう。たしかに、人間は習慣の生き物でもある。長く使ってきたブラウザを変えることは、機能面以外でも感覚的な不満や不快さもあるだろう。しかし使っていればすぐ慣れる。

というわけで現在の私はVivaldiである。Web全体としては今後も当分の間、ChromeとSafariで閲覧されるだろうが、私は既にChromeの使用をほぼ停止している。VivaldiのiOS版がないので、iOSで使っているくらいだ。

初版:2021/12/12 ―― 改訂: 2021/12/13

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