『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part 3』(’90) / 集大成という言葉を使うとすればここ以外ない

『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part 3』Universal, 1990年

シリーズものとしては例外的に、BTTFに関してはPart 1よりPart 3の方が好きかもしれない。しかしこの表現は正確ではなく、タイムトラベルをテーマとするBTTFは、全ての作品が連動してシリーズの歴史としての重みを累積していっており、その集大成としてPart 3があるのだから、Part 3単品のみで語ることはできない。Part 3が面白いということは、その道程であるPart 1,2も含めた全てが良く出来ていたということでもある。

図:『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part 3』

Part 3固有の良さについて語ると、やはり西部劇という時代とリズムが作品に合っている(上図)。作中でパロディが繰り返されているイーストウッドの西部劇映画のように、西部劇はどうしても“渋い”作風になりがちなのだが、BTTF特有のポップさでもって西部劇が演じられることで、西部開拓時代に抱く無邪気なイメージ(ガンベルト巻いてリボルバー早撃ちするのがカッコイイ、みたいな)をそのまま映像に出来ている(どうでもいいことだが、タイムスリップする拳銃の達人と言えば「のび太」であり、マーティは「アメリカ版のび太」と呼んでいいと思う)。

しかし、繰り返しになるが、Part 3の心地良さや面白さというのは、作品の中に常にPart 1とPart 2のレイヤーが重なって見えるからこそでもある。つまり、観客はドクのもとを訪ねるクララにPart 1のロレインを重ね、スネを蹴られるタネンにPart 2のロレインとビフを重ねて見る。積み重ねられた歴史のレイヤーを全て一体化したPart 3は、映像の中に潜在する情報量が歴代最大であり、Part 3を楽しむとき、観客はPart 1とPart 2をも同時に楽しんでいるのである。

満足度:10/10

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投稿日時: 2020/07/03
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