
※:本記事内での作中画像はUHD BD盤を直撮りしたものでありSDR画像となる。
日本公開に先駆けて、北米で発売された4K UHD BDをAmazon.comから$29.99で購入。送料込みで約3,900円ほど。同年発売された過去4作のUHD BD盤と合わせて、ファースト・ブラッドからラスト・ブラッドまで、これでいつでも「ランボー4K祭り」ができるようになったということだ。

画質――スタローンのシワの一本一本までも
5K撮影の4Kマスター。片面二層66GBだが100分未満の映画なので十分なビットレートが割り当てられている。
映像は極めてクリアで透き通るかのようであり、デジタル時代の来たるべき高画質を実現する。2019年の他の平均的なUHD BD映像より確実にワンランク上。しかし120fpsを実現した『ジェミニマン』(’19)への批判にも似たようなものがあったが、あまりにもクリア過ぎて、映画というよりまるでBBCドキュメンタリーでも観ているかのようでもある。フィルム的な味わいを求める人にはウケが悪いかもしれない。
とにかくノイズがなく、鮮明。そのおかげで(せいで?)老齢のスタローンのシワの一本一本まで確認できる。10年前の前作に比べると、急激に老け込んだ印象(図2)。

日本版がどうなるか不明だが、前作にも匹敵するほどの残虐描写も健在で、人体に必要不可欠な重要器官が根こそぎ抜けたり切れたりする。最後の一撃は「『モータルコンバット』かよ!」という感じである。4Kで鮮明に映し出される心臓の血管がふつくしぃ!
洞窟内の暗闇に光るフラッシュライトとのコントラスト。そしてラストの、後光をバックに仁王立ちするランボーの眩さは、HDRならではであり、UHD BD盤を買って良かったと思わせる出来だ。
音質――喉を突き刺すナイフの音
Dolby Atmos対応。
聴きどころはなんと言っても「ランボーのテーマ曲」「喉を貫く残酷なSE」そして「洞窟内でのサラウンド」である。ランボーのテーマはやや控え目な流れ方だが、やはりこの哀愁漂う曲がなければ始まらない。洞窟内戦闘は銃声や爆音サラウンドのオンパレードで、映像的にも音響的にも最大の目玉となる(図3)。

全体としては、伝説級のサウンド・クオリティであった前作の海外盤UHD BDのクオリティには及ばないものの(というか前作が凄すぎた)、BGMもSEも納得のいく出来。
総評
5K撮影4Kマスターという、現在でもまだ貴重な部類の作品なので、とりあえず家庭で楽しみたい人は迷わずUHD BD盤を選択しよう。このクオリティはBD盤では味わえない。
映像:8/10
音響:8/10