『マトリックス』シリーズの4K UHDの出来栄えは期待以上

4K + HDR対応のプロジェクターを導入して、遅ればせながら本格的に4Kの世界に突入したので4K UHDディスクを購入しまくっている。購入は主に(というか今のところ全部)海外盤である。日本のUHD BDは普及させる気がないとしか思えない価格設定で、しかも中身は海外盤と一緒というケースも多く、その場合は全く買う意味がない(UHD BDはリージョンフリーなためか、多言語対応が多い)。

さて、肝心の『マトリックス』シリーズのUHD BDの作りは、かなり良い出来である。ようやく『マトリックス』という、映画史上に残る伝説級のタイトルをいつ何時でも存分に楽しめる環境が整い、感無量だ。BD盤は「とりあえずBDという器に入れました」というレベルで、登場当初は目が肥えていなかったので美しく感じたものの、現在鑑賞すると映像・音声ともに貧弱という印象を受ける。

とにかく絵が平坦で薄っぺらく感じられ、クライマックスの銃撃戦の音も平凡。ビットレートを確認しても、映像は8-15Mbps付近で低空飛行している場面が多く、定額配信サービスと同程度のクオリティしか実現していない。ところがUHD BD盤は、そのような「やっつけ仕事」レベルのBDの汚名を返上し、UHD BDという器をかなり活用できているように思われる。

UHD BD盤の、巷での「あまり変わらない」という評価は、恐らくサウンド環境が不十分なのだろう。そう、UHD BD盤『マトリックス』の真価は、Dolby Atmosを有効にした状態でのサラウンドにある。そもそもこのシリーズ自体、フィールドを縦横無尽に動き回っての銃撃戦や、弾丸をスローモーションでかわす演出など、まるで映像と音のデモを行うために撮られたかのような部分もある。UHD BD盤ではこのような状況下で、全スピーカーが十全に活用され、耳元をかすめた弾丸が空を貫通して背後へ通過していく音や、フロア中の外壁が飛び散る音、また101人のスミスに取り囲まれる包囲感などを存分に味わえる。

映像もBD盤より遥かに解像感のあるものへと進化しており、グラサンをかけたモーフィアスがドアップで凄む場面などでは「モーフィアスの肌の色は、これほどまでに味わい深い黒だったのか……」と、思わずため息を漏らしてしまうほどである。

HDRでシーンを見直すと、新たな発見が色々ある。例えば第一作目のBD盤では、現実世界でスクウィッディーから逃れるためにネブカドネザルのライトを消しているはずなのに、ネオたちの顔が明るく照らされており、よく考えると不自然であった。これはSDR作品では、最低光量を底上げする作りになっていることが原因だろう。HDRで観ると、びっくりするほど暗闇になっていながらも画が潰れておらず「あっ、本来はこういう状態だったんだ」と感動できる。ただし一部場面はちょっと眩しい。

というわけで、プロジェクターを購入するなり『マトリックス』第1作目を2周してしまい、その後も折に触れ銃撃シーンを再生しては感嘆している。本当に素晴らしいパッケージ

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投稿日時: 2019/05/27 ― 最終更新: 2019/10/12
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