『ゴリラ』(’86) / いつでも相手を滅ぼせるスパイの矛盾

2020/08/06 ・ 映画 ・ By 秋山俊
『ゴリラ』

「シュワルツェネッガーだからこそ成立している映画」であると同時に「シュワルツェネッガーだからこそダメになった映画」でもある。

寡黙で頭脳明晰な元FBIのマッチョが裏社会に潜り込むハードボイルド展開は、発音に難があり、インテリなボディビルダーである彼のための役柄。ところが中盤まで「内通者の存在に気をつけながら、マフィアの内部に潜入して信頼を勝ち取っていく」というスパイ・アクション的な内容でありながら、後半はそれまでの積み上げをご破産にして正面突破を試みてしまうのである。

派手に撃ちまくって無双するワンマンアーミーな銃撃戦は、もちろん80年代シュワルツェネッガー映画の醍醐味なのだが、それで正面突破できてしまうなら、中盤までのメンドウなスパイごっこはいらないのである。実際、この映画を観た誰もが「最初から正面突破しろよ!」とツッコミをいれたであろう。

それにしても、原題が”Raw Deal”なのに邦題が『ゴリラ』って、色々な意味でスゴイと思ってしまう。

満足度:5/10

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投稿: 2020/08/06
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