『リボーンの棋士』6巻 / 無言の棋士

鍋倉夫『リボーンの棋士』6巻, 小学館, 2020年

単行本について書くのが遅れたし、本誌の方でも次回で最終回となりキリがよさそうなので、ここでは簡単に。

伊達との師弟対決は、これまでで、いや作品中最高の対局と呼んでいいだろう。この対局のなにがいいかというと、表情だけで濃密な対話が行われているのがいい(図1)。こういうシーンが何度も出てくる。

図1:『リボーンの棋士』6巻

これが良い。対局の前後にも全然話さない。なのに気持ちは十分すぎるほど伝わる。むしろ、話さないからこそ伝わる。逆に長々と会話したら台無しだと思う。全部絵で説明できてるから。

それと「あえて千日手を選択する」という展開も素晴らしい。私は、夜を徹してとことん勝負してやらねばならない相手がいることほど、勝負において幸福なことはないと思う。

『美味しんぼ』ワールドから飛び出してきたかのようなファッキン目玉焼き眼球野郎である望月も良かった。最低でありながらエゲツない勝負師であり良かった(図2)。

図2:『リボーンの棋士』6巻

クオリティ面において週刊ビッグコミックスピリッツNo.1、どんなに低く見積もってもベスト3に入る最高の将棋漫画『リボーンの棋士』も、7巻で打ち切りになることが確定し、ひどく落胆している。

私はこの漫画が、将棋版『ヒカルの碁』と呼んでいいほどの最高傑作になると信じていた。全ては始まったばかりだったはずだ。本作の打ち切りは、将棋漫画の歴史における多大なる損失である。何らかの形での連載再開を信じたい。

6巻の満足度:10/10

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投稿日時: 2020/07/25
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