Lewis Carroll “Alice’s Adventures in Wonderland”

英語全般の学習方法などに関しては英語勉強法ガイド1 を参照。

英語が苦手な人(中学~高校2年生レベル)

英語はずっと苦手で放置してきたが、やはりやり直さねばならない、と思い立った人が歩むレベル。

恐らく単語の定着率がかなりまばらであり、文法についても根本的な勘違いや理解不足の可能性があるので、このレベルの人は初歩的な文法解説書を使って、一度はじめから丁寧に網羅し直すことをおすすめする。もちろん、あまりにも初歩的で絶対大丈夫と思える箇所は読み流すか飛ばしていい。

単語帳は『速読英単語 入門編』など、書店でめくって抜けが多くありそうな単語帳ならなんでもいいが、一冊こなす。このレベルの単語はどれも超頻出単語ばかりで、長文読解をしていくと毎回出現するものばかりであり、単語帳で仕上げることは全然意識しなくていい。あまりにも長文でよく出てくるので、単語帳で適当に覚えてから長文精読していると、あとは勝手に覚えてしまうからだ。

この段階は正確な理解にとにかく重点を置き、多読学習は無理にしなくてもいい。精読を繰り返すだけで次のレベルに進める。このレベルは頻出単語ばかりで構文なども入り組んでおらず、文章を読んでいれば同じ単語・文法が繰り返し出るため、集中して取り組めば学習効率は非常に良い。じっくりやれば見た目の量に反して、割とすぐこなせるだろう。

英語中級者(高校3年生~中堅大学レベル)

大多数の受験生が「英語の勉強を本格的に始める」と思ったときにこなすのが、ここに書かれている内容である。

このレベルの学生は、受験で必要とされる標準的な単語や文法に結構抜けがあるはずなので、『速読英単語 必修編』『Duo 3.0』『システム英単語』『ターゲット 1900』など、大多数の受験生向けに作られた標準的な単語集を一冊仕上げる。私が使用したもので、一番のおすすめは『百式英単語』の難関大レベルを除いた部分である(学習メソッドが良い)。熟語は『速読英熟語』が最もおすすめ。CDも購入してリスニング訓練もするといい。

文法は『全解説頻出英文法・語法問題1000』『Next Stage英文法・語法問題』など、問題集形式で苦手な部分を潰すとセンター試験にも対応できて効率が良いが、不安があるなら一度、文法解説書で網羅的に学び直してチェックするといい。辞書型として参照する文法書は『総合英語 Evergreen』(旧『Forest』)がおすすめ。

このレベルの文法に関してはとにかく、穴を作らないことが重要。何故なら穴があると、それを引きずって間違いや勘違いを繰り返し、後の多読学習などの効率が落ちるからだ。高校3年生までの基本的な文法に関してはキッチリ仕上げたい(もちろん読解の際の文法解釈速度や精度は、読解の中で浸透させ高めればいい)。

このレベルの全ての人におすすめの英語読解教材は、先程も紹介した『速読英熟語』である。私の受験生活の中で、英語学習に最も役立ったテキストは、この教材を置いて他にない。

『速読英熟語』は、難易度面では中級レベルのど真ん中を突いており、かつ全てこなせば、ほとんどの大学レベルで必要十分な量の熟語を網羅できるので、教材として隙がない(熟語は英語学習の急所の1つである)。ついでに単語も割と覚えられる。しかもCDも別売りで存在し、繰り返し聴けばリスニングもかなり得意になるだろう。下手な教材より『速読英熟語』を繰り返し読むことを勧める。

英語長文は『やっておきたい英語長文 300/500』あたりを繰り返し読む(音読が苦でなければ音読)。書店でパラッとめくれて、このレベルの長文につっかえるようだと、まだ中上級レベルには入門できないので、見栄を張らずに仕上げたい。

センターでかなり点が取れ、一般の模試で偏差値60を超える頃には次のレベルに入る。どのようなレベルでも、この辺りから志望大学の過去問に手をつけることを考えたい。センター高得点を目指すだけの場合、高度な解釈や難単語などは一切必要ないので、ここに書かれたような内容(特に文法)の完成度をひたすら高めていく。

英語中上級者(中堅上位~難関大レベル)

GMARCHや地方国公立などを目指している人が英語を得点源にしたり、あるいは早慶上智など難関大に通用するレベルの英語力を手に入れるための学習方法。

単語レベルは無理に広げる必要はなく、既に覚えた基本単語・熟語のさらなる浸透を目標にする。文法で不安や理解不足がある箇所に関しては、前述の参考書で潰し続ける。

このレベルに入ったら『やっておきたい英語長文 700』クラスの長文読解に挑戦しよう。『やっておきたい英語長文 700』は、同シリーズの『500』に比べると一気に難易度が上がるが(特に最初の方の文章)、難関大学レベルに必要な単語、文法知識、構文、および頻出テーマを一通りさらっているので、やはり教材として「名作」である。

同シリーズについて述べると『1000』は『700』ほどではないが、『700』のお代わりとしては使える。この時点でまだ『300』や『500』を終えてないなら多読教材に使うと良い。

下線部和訳の難文読解などで、複雑な構文を解釈できない、という人には『ポレポレ英文読解プロセス50』が強くおすすめで、私も読んだ。大学受験を超えて読まれる読解・解釈書の名著であり、この本を一冊こなすと、下線部和訳に大きな自信がつく。本自体は極めて薄く、難文解釈に集中してサッと仕上げられるのが良い。特効薬のような本である。

『英語長文 700』『ポレポレ』クラスを仕上げ、過去問なども繰り返し読み込んだ頃には、既にレベルとしては上級に入り、「英語が得点源」と呼べるようになってきているだろう。

英語上級者(難関大学レベル)

東大京大などの最難関レベルにも通用し、さらに他の受験生に差をつけるための英語勉強方法。

このレベルになると、大学生が読んでも面白いテキストを英語で読めるようになり、洋書も簡単なものなら読みこなせるので、学習がかなり楽しくなる。勉強としてではなく「読書」として英語力を伸ばせるので、人によってはどんどん学習を続けて他を圧倒できるようになるだろう。意欲的な人は、受験テキストに拘らず様々な一般テキストにあたるのもいい(→「受験英語で洋書の読み込みは有効か?」)。

京大や最難関私立のように、レベルの高い単語が出てくる大学対策には『速読英単語 上級編』『話題別英単語リンガメタリカ』などをこなすと、長文読解力も同時に鍛えられ、また文章自体も面白いので、かなりおすすめである。実際、これらのテキストは大学受験とは別に教養としても興味深く、私のお気に入りテキストとなった。

なおややマイナーな英熟語を覚えたい人は『解体英熟語』が網羅的で使える。単語で網羅性を求める場合には『鉄緑会東大英単語 鉄壁』がおすすめ。

以上の単語や熟語は、東大を始めとする「難単語を問わない大学」を受験する人には不要。しかし『速読英単語 上級編』や『リンガメタリカ』は、単に面白い読解教材として楽しんで学習できる。英検1級レベルの単語も出てくるので、出てくる単語を覚えることに躍起になる必要はない。

このレベルに至った人は、既にどんな長文にも立ち向かえるはずなので、志望校の過去問をやり込んだことは前提として、『やっておきたい英語長文 1000』や、他の難関大学の過去問をこなすといい。

私は有名な参考書と過去問を大体終えた後は、早稲田大学の過去問なども多読教材として読んでいた。なお東大と京大の過去問は、このレベルの全ての英語学習者におすすめである。

このレベルでは既に単語や文法はかなり仕上がっているので、学習は多読に重点を移しつつ、どんな教材であっても長文は意欲的にこなしたい。既に英語学習のサイクルは完全な形となっているので、あとは読めば読むほど英語力が向上するはずである。多くの英語教材をこなしたとき、もはや模試でもトップクラスの成績を残せるようになっているだろう。

本日の「達人の言葉」

いいえ、特別な才能など必要ありません。わたしの考えでは、芸術を除くあらゆる人間による活動の成果とか効力とかいうものは、関心の度合と、この関心の対象を実現するために費やされたエネルギーの量いかんにかかっているのです。

多国語習得に才能は必要かという問いに対する、16ヶ国語を翻訳するロンブー・カトーの返答。『わたしの外国語学習法』p.10より

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勉強の面白さを力説し、学びの意義を考え続ける受験コラム

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投稿日時: 2019/06/21 ― 最終更新: 2019/12/01
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