受験勉強を続ける上で、最も役に立った格言を教えろと言われたら

「困難は分割せよ」

これ以外に考えられない。

デカルトの格言なのだが、私は数学に限らず、勉強方法でも問題を解くときでも、1000回くらいこの格言のお世話になった。受験数学界の生き菩薩である安田亨先生も、著作の中でこの言葉を繰り返し使っている。それくらい、万能で汎用性抜群の格言である。

困難なことはすべて、扱うことができ、解決が必要な部分へと分割せよ。

ルネ・デカルト『方法序説』

実践!困難分割

例えば「世界史の流れや単語がなかなか頭に入ってきません!」という悩みがあったとする。ならば……

「困難は分割せよ!」

そこで「古代中国史だけ、まずしっかり覚える」という風にする。古代中国史に限って日を置きながらテキストを繰り返し読み、一問一答を繰り返せば、完全に忘れ去る前に復習ができるので、テキストを通読して覚えるより遥かに記憶が定着しやすくなる。

何?それでもまだ覚えにくい?ならば……

「困難は分割せよ!」

古代中国史をさらに分割して、戦国時代だけとか、後半のページだけ、とかに限定して同じことをする。それでもまだ覚えられないなら、1ページだけにする。それでも覚えられなければ、一行!

分割すればするほど、困難の度合いは小さくなり、使える脳の容量に対する処理量は減り、記憶能率は高まる。

困難分割で問題を解く

もちろんこれは、問題を実際に解く時にも使える。というか本来、そのためのものである。

例えば英語の下線部が入れ子構造になっていて訳しにくければ、入れ子構造の一部分だけ考え、他はないものとして考える。数学の問題が難しければ、まず問題文の数式への翻訳だけに集中したり、問題の一部分だけ解決してみる。試験問題が大量にあって見通しが立たないなら、まず即答可能な問題だけ解いて数を減らす。

ここで困難分割の極意をつかむために、今一度デカルトの格言を見てみよう。

困難なことはすべて、扱うことができ、解決が必要な部分へと分割せよ。

ルネ・デカルト『方法序説』

つまり「独立して解決可能な問題」が組み合わさっているのなら、それぞれの問題を独立可能な単位にまで、できるだけ切り分けて考えろ、ということである。

困ったらデカルト。困ったら分割思考。猫も杓子も分割分割。分割して、分割して、分割せよ!「困難は分割せよ!」には、ドラえもんの「もしもボックス」レベルの汎用性がある。

昔の日本人は「わかる」ことを「分ける」ことだと考えた。理解とは、事物の分割そのものである。

もちろん分割思考は人生のあらゆる困難、課題に対しても有効なので、今後の人生でも毎日役立ちまくる。これが「学びを人生に応用する」ということである。

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勉強の面白さを力説し、学びの意義を考え続ける受験コラム

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投稿日時: 2019/06/18 ― 最終更新: 2019/11/26
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