多くの大学では基礎問題を100%確実に取り、標準問題を取りこぼさずに抑え、解けない問題でも部分点をできるだけかき集めることで合格レベルに達する。これは東大でも同じことで、『青チャート』や『一対一対応の演習』に載っている標準問題レベルの解法を駆使することで合格点が取れる。

そして数学の問題は多くの場合、あるレベルの問題は、それより下のレベルの問題の解法や考え方を組み合わせることで解ける。例えば標準問題は基礎問題の解法の組み合わせや延長で考えることができる。

ただしそれが「その場で思いつけるか」「試験中に解けるか」というと別の話で、試験中に解けるのは、普段から十分に解き慣れたレベルの問題だけだと考えた方がいい。

つまり、標準問題までのみを仕上げた人が試験中に解けるのは標準問題レベルのものだけであり、それの組み合わせで解ける発展問題では部分点しか望めない、ということだ。だから「組み合わせで解けるなら、その問題の一歩手前までマスターすれば何とかなるんだ」というのは誤解である。

日常的に解いているレベルの問題だけが試験で解ききれる

普段の学習では1つ上のレベルであっても、粘れば何とかなることもあるが、試験本番は緊張感に加えて制限時間も厳しい。自分がマスターしていると思っているレベルすら、解けるとは限らないのだ。

こういった中では「自分より上のレベルの問題」に関しては、最初から解き切ろうとは考えず、自分が理解できた範囲を論述により明らかにしながら部分点を確保し、その他の解けそうな問題を解き切る方が安全である。

例えば私は自分が受かった年の入試にて、発展問題に分類される整数問題を15分程度で解くことができ、他の受験生に差をつけることができた。

しかしこれも整数好きだったので普段から発展問題を解き、整数に関してだけは医学部志望に匹敵するほどやり込んだからであって、標準問題演習だけでこれを本番で解き切れたかは極めて怪しい(一応私の学習計画では、東大文系数学で難問になり得るのは確率と整数だけという算段もあり、ここではそれが上手くはまった)。

試験本番で標準問題を確実に拾いきって合格点をつかむ、という戦略の人は、標準問題の解法を十分に身に着けた上で、日常的に標準問題を解き慣れていないといけないし、発展問題を解きたい人は発展問題を普段から解いてなければならない。

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投稿日時: 2019/07/13 ― 最終更新: 2019/11/14
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