国公立で地理を二次試験の科目として使う人などは、地理の論述問題の演習量が不足しがちになるだろう。地理はそもそもセンター用の科目として直前対策で済まされることの多い科目であり、センター対策の参考書はそこそこあるが、二次試験対策がまともにできる良質の参考書となるとほとんどない。

そこで、問題集で言うと『納得できる地理論述』はおすすめできる。これは問題も解説もかなり良質であり、タイトル通り納得しながら、解くことを通じて論述だけでなく地理そのものの知識も増やしていくことができる。

他にはやはり国公立大学の地理の過去問が有益である。

東大地理の過去問

小問が大量に並べられており、60文字程度の論述を矢継ぎ早に繰り出してくるのが特徴。難易度的にも1つ1つはそれほど難しくなく、奇問難問がほとんどない。また近年は1年おきに地図・地形図絡みの問題を出しているので、不足しがちなこれらの問題の演習にも役立つ。

東大過去問はとにかく良質の問題集なので、論述が必要ならどの大学の人にとっても役立つと思う。問題集として解くなら『東大の地理 27カ年』がおすすめ。

京大地理の過去問

これも素晴らしい良問揃いであり、時間に余裕があれば是非解きたい。東大の問題とはカラーが違うが、その分、東大過去問にないようなタイプの問題を補充するにはうってつけである。2019年現在は残念ながら赤本で1つの問題集にはまとまってないので、全科目入りタイプの過去問を買って解くか、ネットでダウンロードしよう。

一橋地理の過去問

これはクセが非常に強く、ハッキリ言って一橋大志望者以外にはあまりおすすめできない。とにかくヘビー級のどでかい問題が中心となる。私自身、ほとんど解いたことがないので詳しいコメントはできない。

名大地理の過去問

難関国公立大学の標準的な地理論述という感じで、タイプとしては東大地理に近いか。実際、私が受験した2016年の名古屋付近を扱った東大地理の問題は、名大過去問のパクリと言っていい内容であった(苦笑)。

名古屋大を志望する人は真っ先に解き、それ以外の場合は東大地理や京大地理をこなしてから解くと良いだろう。

各大学の模試過去問

河合塾の模試過去問が良質でおすすめ。私が解いたのは東大即応オープンの過去問で、これは中古品をAmazonで購入してまでかなり遡って解いた。実際の過去問を解き尽くし、復習まで終えてしまった人には、さらなる演習材料として使える。

古すぎる過去問は役に立つか?

地理は問題の風化が早い科目である。例えば2005年以前の中国絡みの統計などは、今の時代とはデータがまるで違う。そのため、下手に古すぎるデータを仕込むとかえって今の時代には間違った知識となってしまう可能性もある。これはセンターでも同じである。

問題集不足でもあるので、各大学の問題を10-15年くらい前まで遡るのは問題ないと思うが、それ以上前の問題を解く際は問題を選んだり、そういったデータの古さを十分考慮した上で知識を仕入れたい。

以上、軽く各大学の地理の特徴を説明したが、今の時代になっても相変わらず地理の論述問題集が少ないのは嘆かわしい。受験者数が少ない上に、問題がどんどん古くなってしまうので仕方ないのかもしれない。その代わりと言ってはなんだが、地理は歴史に比べて暗記量が少なく済むし、ニュースなんかでも何かと役立つので、将来への投資だと思って頑張って過去問を集めよう。

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投稿日時: 2019/06/09 ― 最終更新: 2019/11/26
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