クロード・モネ「睡蓮」

模試の会場選びなんて、あまりにも些細な問題のように思われるかもしれないが、模試ソムリエともなると会場ごとの違いというやつにも敏感になってくる。受験生としても、自分ごととなると、一々こういうくだらない問題が案外気になるものである。どうせ同じ金を払って模試を解くなら、気持ちよく解きたいものである。まあ東大みたいな古い大学はボロいので、あえて本番同様にボロい校舎で解くという手もあるが……

それに国立大の本番レベル模試みたいな長丁場は、しみったれた部屋で受験すると気分がウツになり、帰宅しても復習する意欲が湧かず、そのまま反省を放棄して受験失敗、家庭崩壊、一家心中ということになる可能性が0ではないと、どうして言えるのか。いや、0かもしれないが、とにかく模試会場の選び方である。

築年数と広さに注目すべし

模試会場の選び方は簡単で、なるべく新しい校舎で大きめの会場を選んだ方がいい。要するにホテル選びと同じである。

ホテルだろうと賃貸住宅だろうと、建物全体のクオリティというのはどうしても築年数に左右される。旅行先のホテルに困ったら、とりあえず築年数で良し悪しのアタリをつけるのは旅行テクの1つである。

古い建物はどんなにメンテナンスしていても壁が汚くなり、全体がボロい印象になり、模試を解いていても「なんか貧乏くさい気分で問題を解いているわ」ということになる。こういう会場は備え付けの椅子も大体ボロい(椅子が部屋と一体化して取り替えられないケースもある)。貧乏くさい気分で数学を解いた結果、解法が降ってこずにD判定獲得、自信喪失、志望校喪失で人生喪失となれば、悔やんでも悔やみきれない。やはり、新しい校舎で受験をするのが無難である。

ショボい会場で受験すると……

私は一度、東進の東大模試を受ける際、場末のとんでもない会場を締め切り間際で他に空きがなく仕方なく選んでしまったことがある。すると、明らかにキャパオーバーの殺人的に狭い部屋に朝9時から夜7時半までカンヅメ状態となり、発狂しそうだった。受験生に対する知の拷問とでも呼ぶべきものである。

しかも端っこの席であり、その端っこの席からトイレに行くには5人くらいの背後を「すみません……すみません」「難問を解いているところ失礼します。尿意を催しましたので……」と侘びながら通過しなければならなかったのである。帰りも同じである。たかが模試の受験で、日に10度も侘びをいれるハメになったのは人生でその日だけである。私は会場を後にした夜の街で、頭痛を覚えた。

このように締め切り間際ほど選択肢が少なくなるのは、人生のどの場面でも同じなので、なるべく早く予約をいれた方が良い。

私のような孤独な独学者と違い、受験生の皆さんには頼りになる友人がいるだろうから、彼らから情報を集めて良さそうな会場を選ぶのが手堅いかもしれない。いずれにせよ隣人との間隔が異様に狭い会場、座っているだけでウツになりそうな辛気臭い会場は避けた方が無難である。

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投稿日時: 2019/07/06 ― 最終更新: 2019/12/02
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