数学は最も得手不得手が別れやすい科目であり、というか私が認識している限りでは大半の人が苦手意識を持っている。

理由としては、勉強量のゴリ押しだけでは限界があること、手も足も出ないような難問が多いこと、解き方を思いつかないとそこで止まってしまうこと、全問解くのが困難なこと、などが挙げられるのではないだろうか。「理系なのに数学に苦手意識がある」「偏差値が上がっても克服したとは思えない」という声も多い。

例えば英語や古文だったら、難しくても全問に対して解答を書くこと自体はさほど難しくない。よほど自分のレベルを超えた文章でない限り、十分な形でなくとも問題に立ち向かうことはできる。世界史や日本史は、最終的には知識を仕入れれば何とかなるのは確かなので、これも絶対なんとかならないという絶望感はない。

一方で数学というのは、公式や解法を覚えたから解けるものではない。また基本的に受験生が全問に対して十分な取り組みをするのは困難な問題セットで構成される。他科目と違い、それなりに準備していたとしても、難関大模試などでは0点や一桁代の点数を取ってしまうことも決して珍しくない。事実、受験勉強を始めた直後に受けた東大模試では、私の数学の点数は0点であり、以後1年ほど一桁代の点数が当たり前だった。

大学受験の数学の絶対難度が高いことは事実である。ここが高校受験までの数学と大きく異る。小・中で習う数学(算数)は、あくまで基本的な内容で問題の絶対難度が低いため、手順を覚えて手続きを高速化することで高得点が狙える。

ところが大学受験レベルの数学では、問題が高度化し、基礎的な内容から発展させた問題が「標準レベル」と呼ばれるようになる。そのため「中学まで数学は得意だったけど……」という人が多いのである。このような事情から、高校までの数学をひたすら「基本パターンに習熟して、類型を解く手続きを短縮化する」という手順で押し切ってきた人たちは、大学受験で行き詰まりを感じやすい。

では数学が苦手な人、今点数を取れていない人が合格点を取ることはできないのか?というと、これは可能である。私は1年半以上の間、模試で完敗するたびに「これは果たして解けるようになるのか」と悩んだものだが、最終的に東大数学でも十分に他の受験生に差をつけられるようになっていた。

そこで発見したのは「数学の困難さは、実は質よりも量にあるのではないか」ということだったのである。これは次の記事で述べる。

「数学の難しさは、実は学習量・演習量の「膨大さ」にある」

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投稿日時: 2019/08/04 ― 最終更新: 2019/11/19
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