受験世界史の世界では、遥か太古より二大巨大が、終わることのないハルマゲドンの闘争を繰り広げてきた。すなわち、山川と東京書籍である。

森羅万象二極一対
男と女 陰と陽
仁王像の阿と吽

世界史教科書しかり
山川と東京書籍!!

武論尊『北斗の拳』文庫本1巻, 集英社

受験において世界史オタクと化していた私も、当然この二冊を徹底的に読み込んだ。結論としては、この二冊は性格が大分異なる。

山川 vs. 東京書籍

山川出版社は「そつなくこなす優等生」タイプ。全体に必要最小限の記述にとどめており、「全ての文章が論述の模範解答になり得る」と言えるほど、徹底的に簡潔で洗練された文章が特徴である。無駄がない分、テキスト自体も軽量であり読みやすい。多くの受験生が山川をスタンダードとするのもうなずける。選んで失敗のない教科書と言える。

一方で東京書籍は「より深くまで考察する、クセの強い思想家」タイプ。まずそもそもテキストのサイズ自体が大きく、脚注などでの補助的な解説が非常に詳しい。また通史の説明においても因果関係や当時の事情などについて山川より深く踏み込んでおり、「なぜそうなったか」が分かりやすい。交流や交易といった文化横断的な関係性を重視し「世界の一体化」的な視点に対しても異常に強い。ボリューミーな分、読みこなせれば山川より世界史に詳しくなれるだろう。

コラムには「受験では問われないものの、世界史的には重要」な事柄が記されている。とりわけ「時計と世界史」に関するこだわりは異常である。単語レベルについても山川より明らかに高く、部分的ではあるが難関私大レベルの単語までカバーする。

どっちも魅力的過ぎて、迷っちゃうよ……

このようにどちらも魅力的な内容であるため、↑のようなキャバクラに通うオッサンのような悩みが受験生に発生する。そこで、私の提案は以下である。

  • 時間に余裕がない学生や、世界史にあまり時間をかけられない学生には山川が向いている
  • 世界史をじっくり学習し、深い理解に基づき通史を概観したい世界史好きには東京書籍がオススメ。マクロ的視点が強い分、大論述対策にも向く
  • 十分に時間があり、かつ世界史で最高レベルの成績を収めたい人は両方読むべし。ただし「世界史で「教科書を耕す」ことの大きな副次効果」を得ることを忘れないように。

東大世界史には東京書籍が有利?

なお東大受験生には「世界の一体化」という、東大好みのテーマに強い点、作成している教授との関連から、以前から「東大受験には東京書籍」という説がまことしやかに囁かれていた。

そのため私もどちらかと言えば東京書籍メインで学習したのだが、ハッキリ言って、別に東大世界史に対して東京書籍が特別有利だとは思えない。先述したように、東京書籍は東大受験に対しては少々詳しすぎる嫌いがある。さらに大問二の中論述への解答には山川のフレーズの方が利用しやすいと思えるからだ。結局、どちらも一長一短である。

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投稿日時: 2019/10/01 ― 最終更新: 2019/11/07
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