勉強のレベルがまだ浅い時期というのは、個々の単元や事象がそれぞれ別のものとして感じられ、10のことを学ぶのに10を学習しなければならない。この時期は学習が大変である。何しろ10のことを覚える時に、毎回それを「新しいこと」として覚えなければならないからである。

しかし勉強のレベルが高まり、個々の事象の表層的な面だけでなく、もう少し深い部分まで理解できるようになると、実はバラバラに見えていたものの背後に共通の性質があることに気がつく。全てを生み出す根源的なものが見えてくるのである。

こうなると、10のことを覚えるのに要となる要素は3,4個くらいで、残りの要素はそれらを繋げて考えれば、少ない労力で無理なく理解できるようになる。しかもそれぞれを連関させて記憶しているので、記憶の持続力が違う。忘れても短期間で記憶に再定着させられるようになる。

例えば数学なら「ベクトル」は最初、個別の単元として学習し、センター攻略程度ならベクトルは単にベクトルという独立した思考と手法で終わるが、ベクトルの性質を十分に理解すると、座標問題を始めとする様々な問題で応用できることに気がつく。

あるいは世界史なら、ユーラシア大陸の出来事とアメリカ大陸の出来事は個別に学習を進めていくが、学習を深めるほどそれぞれの大陸での出来事が連動しており、特に植民地化後は一方の大陸での動きは必ずもう片方の大陸に強い影響を与えていることが分かる。これをもっと深めていくと、世界史を動かす全ての原動力は「人間のサガ」であり、歴史を理解するということは人間を理解することだという話にもなってくる。

また入試問題というのは日本語で書かれているため、現代文で学んだ文意の読み取り方(例えば逆接の後に筆者の主張がくる、など)を応用すると、古文・漢文はもちろん、様々な問題の解き方に応用したり、題意(出題者の意図)を汲み取るのに使えるようになる。従って現代文を応用すると全科目が伸びる。

このようにあらゆる現象はどこかで通じているため、学んだ知識に対し「これが他とどう関わるんだ?」「根っこにあるモノはなんだろう?」と考えてみることが大切である。

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勉強の面白さを力説し、学びの意義を考え続ける受験コラム

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投稿日時: 2019/09/30 ― 最終更新: 2019/11/26
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