ドゥニ・ディドロ(1713-1784)、『百科全書』を編纂
「 人を偉大な事業に向かわせるのは情熱、しかも燃え盛る情熱だけだ」「けっして後悔せず、けっして他人を咎めるな。これらは英知の第一歩である」

これまで「世界史が苦手な人の特徴」などで散々、「世界史の単語はストーリーに乗せて覚えないと、いつまでも得意科目にならない」ということを強調してきたし、暗記カードなどにも私は否定的である。が、もちろん最終的には単語は、何らかの方法で暗記しなければならないという現実がある。暗記は勉強における筋トレなのである。

ではどうやって暗記するか?もちろん一般的な記憶に関する原理や、記憶術は十全に駆使すべきである。それ以外にどうするか。

「『ストーリー』を調べて構築する過程で勝手に覚える」というのが方法の1つ。Wikipediaを主たる情報源として活用した私は、もっぱらこの方法で覚えた。

「ストーリー」を探っているうちに勝手に単語を覚える

つまり「この『ゾロアスター教』にはどんな『ストーリー』があるのか?」というのを調べ、ネットで検索して文章を読む過程で、何度も「ゾロアスター教」という単語にぶち当たるので、ある程度勝手に単語を覚えてしまう。

「なんだ、『ゾロアスター教』の『最後の審判』って、要するにおっさんが昼寝したときに見た夢かよ……」とか、そういうのを笑って調べている過程で、単語暗記の最も大変な過程である「その単語を何とかかろうじて思い出せる状態」くらいには到達する。「面白エピソード」をテキストの端っこにサッとメモしておくとなお良い。

そういう豊かな記憶の土壌を作ってから、耕す。まあ気が向いたときに天井を見て学んだことを思い出したり、単語を口に出したり、一問一答したりして、そのたびに「ストーリー」を思い出しながら、記憶をどんどん「補強・強化」してモノにしていく。もちろんこの「ストーリー」記憶法は、その単語の周辺にある別の単語群も勝手に記憶できるのがスグレモノ。

というか、普通記憶というのはこうやって構築されるのである。あなただって好きなマンガのキャラ名とか、努力して覚えないでしょう。読んでいるうちに勝手に覚えているはず。

他に記憶に役立つ手がかりは

  • とにかく人物の写真を最低1枚は見て、イメージを作る
  • その人のいわゆる「名言」を調べる

これらはネットで「人物名 名言」とかで検索するだけで一瞬で出てくるので、スマホがあればすぐ調べられる。特に偉人の名言というのは、歴史に残っているだけあって含蓄のあるものが多く、面白い。

このサイトでも世界史関連のページでは、最初に歴史上の人物の写真と名言を載せて、少しでも読む人が世界史に興味を持ったり、勉強したくなる仕掛けを作っている。歴史を楽しむ、面白がるというのが世界史強者への第一歩である。

「非効率的」こそが「効率的」なのでは?

単語について調べるのに少し時間がかかる。試験に関係ない「無駄」なエピソードも大量に覚えることになる。これを「非効率的」と考えて「脳科学的に正しいナンタラ」とやらで、機械的に、反復的に、つまらない「暗記の儀式」を繰り返しても記憶はできる。試験期間まであと少しなら、かかる時間はそっちの方が短いかもしれない。

ただそういう「我慢大会みたいな記憶の儀式」を繰り返して10個の単語を1時間でモノにするか、あるいはTVの歴史番組を観るみたいに楽しく10個の単語を1時間20分でモノにするか。私だったら後者を選ぶ。だって楽しければ絶対に人生を損しないから。つまらない勉強法で、世界史を嫌いになってしまうのが一番勿体ないから。

あと楽しい勉強法なら、いつまでも勉強を続けられる。「ストーリー」で覚えた方が記憶がずっと長持ちするから、長期的にも有利だし。「無駄」な知識をいっぱいくっつけて勉強するから、受験を終えた後に豊かな教養を身につけられるのも後者である。

世界史好きはなぜ圧倒的か

大学3年生の時に、中国語の授業で同じクラスだったOくんと一緒にご飯を食べに行き、世界史の話になった。その時に私が日英同盟の世界的意義とか、関連する豆知識とかをスラスラ喋ったら、Oくんは「なんでまだそんなに覚えてるの?!」と驚いていた。私はOくんより12歳も歳上だったが、世界史を徹底的に有機的な知識のつながりとして記憶したために、彼より長く鮮明に記憶できていたのである。

世界史や日本史だけ超得意!って人がクラスに1人くらいいる。そういう人は絶対、「歴史が好き」なのである。もう勉強という次元じゃなくて、こういう「ストーリー」を知るのが楽しいから、放っておいても勝手に「勉強」してしまう。こうなれば無敵。

そういう人は最初から歴史を「お勉強」ではなく「楽しいドラマ」としか認識していない。三国志が超好きな人とかね。いくら「効率の良い」勉強をしていても、最終的にはこういう勉強自体を趣味化している人間には絶対に勝てないのである。孔子も言っているではないか。「それを楽しむものにしかず」と。

あなたも効率主義を超えた勉強法を身に着けて、クラスの「なぜか世界史がメチャクチャ得意なやつ」になりましょう。

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勉強の面白さを力説し、学びの意義を考え続ける受験コラム

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投稿日時: 2019/08/29 ― 最終更新: 2019/12/01
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