【受験ラジオ】最速で決断できるようになるシンプルな考え方

2021/01/22 ・ 勉強 ・ By 秋山俊

受験勉強していて、どうやって勉強すべきかとか、どの学部に行くべきかとかで迷ったり、あるいは試験問題でも二択が選べないとかで、考え過ぎて動けなくなってしまう人がいると思うんだけど、答えを考え過ぎるのは結局、時間の無駄でしかなくて。大抵の場合。考え過ぎて動けないって人は、それは考えてるんじゃなくて迷ってる。迷っているってことは、決断を恐れて先延ばしにし続けてるってことだから、実はネガティブな状態。

ただ考え過ぎてしまう状態って、実はもう選ぶべき答えは自ずと決まっている場合が多くって、考え方を少し変えるだけで思考のループから脱出できるから、今回はその対処法とか、選択問題で迷ったときにすぐ答えを選ぶ方法とかについて話そうかなと。結構、即効性があってすぐ試せる内容だと思います。

考え続けるのは迷っているから

それで、考え過ぎて勉強が進まなくなるということに関しては、単に不確かな状態で結論を下すのが怖くて、その場で足踏みしている状態とも言えるし、あるいは、勉強から逃避するための言い訳として考え続けているのかもしれない。

人生の時間が永遠にあって、受験期間が無限に取れるなら問題ないけど、押し寄せる時間の中でベストを尽くすというのが受験生の本懐なんだから、ある程度のところまで考えて、思考がループしているなと気づいたら、そこから先は「考えない」とか「とにかく、最悪ランダムでもいいから決断して、先に進む」ってことが重要で。

これは将棋の羽生さんもベストセラーになった『決断力』という本の中で話していたことだけど、将棋のプロって持ち時間が長いから、考える時は一手指すのに1時間以上考えることもザラにあるんだけど、羽生さんに言わせると、実は長く考えているのには2種類ある。1つは単純に多くのパターンを考えている場合。もう1つは決断ができなくて迷ってるってだけのパターン。

それで、迷ってる場合は単に持ち時間が減って不利になってるだけなのね。読む手が増えないのに時間がいたずらに過ぎて、自分で自分をただ不利にしている。

長い時間考えている時は、考えていると言うよりは、迷っていると言っていい時もある。

羽生善治『決断力』

“ここで行け!”という判断は、読みよりもむしろ直感の働きが大きい。将棋にかぎらず勝負には、流れの中に必ず、勝負どころが出現する。

羽生善治『決断力』

受験勉強でも同じで、ある程度のところまで考え抜くことは、大事。ただ、思考が煮詰まってしまったら、それ以上考えるのは「迷い」。決断しなきゃ。

なんとなく人生の通説として、「思考は無駄にならない」とか「考えるほど決定内容が改善される」っていう、思考における原理主義的な信仰ってあると思うけど、でもそれは間違いで、考え過ぎはむしろ毒ってこともある。

思考をいつまでも続ける人は、考えるほど自分はベストな選択に近づいていると思うかもしれないけど、今までの経験から言うと、煮詰まった状態で考え続けていても、結果は改善されないのね。むしろ残された時間は減り続けるから、全体のパフォーマンスは低下する。だから煮詰まるまで考えることはポジティブなんだけど、煮詰まってからも考え続けるのはネガティブ。

長い時間考えた手がうまくいくケースは非常に少ない。

羽生善治『決断力』

実は結論は出ている

迷ってるってことは、実は自分の中では結論は出てたりする。大抵の場合。その結論の出方と迷い方には2パターンあって。

1つは「本当はこれがいいけど、こっちも捨てがたい」っていう結論が出ていて、“未練”としての迷いが残存しているっていうパターン。もう1つは「どっちも同じ価値があって決められない」っていう結論が出ていて、“決断不能”としての迷いが立ちはだかってるってパターン。大体この2つでしょ。

どうやって対処すべきか。簡単。前者のパターンなら、単にベストなやつを選択すればいいし、後者なら鉛筆でも転がしてどっちかに無理やり決めてしまえばいい。

「どっちも同じだけ価値があるように見える」っていうのは、乱暴に言い換えると「どっちでもいい」ってことで、選択した後にどうなるかは神のみぞ知るんだから、迷うだけ無駄だと思うんだよね。迷わないことによって、少なくとも思考時間の配分に関してはベストな選択ができるから。だから決断するのが正解。迷ってると時間も気力も無駄にするだけで。

よくある状況は、マーク式の問題で最後の2つの選択肢が絞りきれないパターン。「これ以上判断材料はない」って思ったのに決められなかったら、直感で選ぶか、若い番号を選ぶといいよ。

自分の受験時代は、迷ったら若い番号を選ぶと決めててて。たとえば1と3で迷ったら1。だからマーク式解くのは速かったと思う。多分18歳の自分と競っても、30歳の自分の方が速く解けたんじゃないかな。それは決断力が昔より上がっていたから。それで速く解いて、余った時間で問題文に書いてある漢字を練習したりすれば、その分他の人より勉強できて受験が有利になるから。

大学・学部の決断方法

もう少し複雑なケースを考えみると、たとえばどの大学を受験すべきか、と考えていて、目の前に2つの選択肢があったとする。仮に早稲田と慶応だとする。2つの大学をある程度調べていないうちから決断するのは、それは単なる投げやり。もちろん何となくイメージ的に憧れてるっていうのは立派な理由だから、そういう人はそれでいいけど。自分も東大受けたのは、単に最難関ってだけの理由で、それで十分だったから。

まあそれは置いといて、早稲田と慶応で、自分が判断するに十分なくらい情報を集めたとしたら、そこからグダグダ何ヶ月も考え続けるのは迷いだし、1,2年生だったらそれでもいいけど、大学や学部によって傾向と対策は変わるから、宙ぶらりんだと勉強の質が落ちてしまう。

だからもう直感で一度決めてしまうしかないんだよね。好きな有名人が早稲田出身だから早稲田とか。決断しないと他の行動も全部ストップしてしまうから、まず暫定でいいから決断することが先決。逆に100%納得できる決断を下すのは、この時点では不可能に近いから。

学部を決めるときとかも同じで、ほとんどの人は18歳までにどの学部へ行って、どの仕事に就くかで、十分納得いく決断なんて下せるはずがないから。だからある程度考えたら、もう後は決断するしか無い。進路にもよるけど、後から転部するって選択肢もあるし、学部で就職先が固定されるわけじゃないから。

こういうロングスパンの決断の場合、決断した後で判断材料が増えて考えが変わることも多いから、そうなったら増えた判断材料を元に、あらためて決断をくだせばいいだけであって。一度決断して、コトをとりあえず進めるから、判断材料が新しく増えるわけ。過去問解いてみたら自分に合わなかったとか。

実は自分の場合でも、最初の最初は、よく分からずに東大の理系を目指して勉強してたんだけど、勉強始めたらセンター科目の社会が面白くて、文系の方が向いてるって気づいたから文系に変えたんだよね。

こういう感じで、やってれば分かるし、やってみないと分からないこともあるから、まず決断することから始めたほうがいいよ。

実行から思考が生まれる

思考っていうのは実行の中に生まれるんだよ。思考してから実行するんだと思ってる人がいるけど、必ずしもそうではない。実行の中に思考がある、実行そのものが思考の一部だというのが、人間という生物の身体的なリズムで。それと同時に、限られた時間の中で決断を下さなければならない人間の生存技術でもあって。これ最近Blogの方で書いたな。「結局、物事は速度だという話」っていう記事。

決断するときのコツは、「ミスがあるのは仕方ない」と割り切ること。コレ。

ミスのない決断はあり得ないから。でも判断材料を十分集めてからミスをしたなら、それは勉強不足と不運のせいであって、決断のせいじゃない。

たとえば、自分ではほとんど判定不能な2択問題を10,000回解いたら、正答率はほぼ50%になるでしょ。でも考え続けても、せいぜい正答率は52,3%くらいにしか改善しないから、速く決断した方がトク。時間を節約できるから。問題では正解を選べなくとも、「早く決断するべき」という人生の生き方においてだけは、せめて正解を選ぶことができる。

ただ繰り返すけど、速く決断することと雑に決断することは違うから、ここを見誤っちゃだめ。判断材料を集めることは重要。十分に材料を集めて、素早く決断する。これが最短ステップ。どこで見切るべきかは、もう経験で学ぶしかなくって。迷いはじめたら、あとは勇気の問題に過ぎないんだよね。確信できないことを実行する勇気。

決断力を磨く3つの方法

じゃあ次に、どうしたら速く決断できるようになるのかという具体的な話に入ろうと思うんだけど、決断の速度は、性格的な問題も大きいけど、誰でも速くする方法が3つあって。

まず、あらかじめ決断の基準を設定しておくのが一番いいのね。さっき言った、マーク式で迷ったら若い番号を選ぶ、というのもそれで。決断のガイドラインを決めておく。「迷ったら自分の好きな方を選ぶ」とかね。これが1つ目。

2つ目は、時間制限をあらかじめ設けて、その範囲内で決めるってやり方。志望校を今月中にとりあえず決めておくとか、試験で最初の大問は10分で必ず解くとか。時間を制限すると自然と速く決断できるようになるから。これが2つ目。

3つ目は、日常的に決断を無駄なく、素早く行うクセをつけて、速断を習慣化すること。たとえばレストランのメニューを開けてから10秒以内に決断するとか。この時、1つ目の決断のやり方を応用して、あらかじめどういうやり方で選ぶか決めておくと簡単に決断できる。自分の好きなメニューをローテーションで回すとか、食べたことがない料理だけを食べるとか。ある人が言ってたやり方だけど、自腹で食べるときは一番安いのを選んで、おごってもらうときは一番高いのを頼むと宣言していた人がいて。せこい考えだけど、その人は決断速かったよ。

食事っていうのは1つの例で、他には例えば買い物の決断を素早くするとかね。もちろん、練習問題を解くときにも素早く決断する練習ができるし。これが3つ目。

決断力って、ほとんど嗅覚だと思うんだよね。数をこなすと匂うから。自分に合ってる選択肢が。

勘違いしている人が多いけど、決断っていうのは論理じゃないんだよね。論理で処理できたらただの手続きだから。論理で割り切れない、断定できない選択肢の中から、理に依らずに1つを選び取るから、決めて断つ、すなわち決断と呼ぶわけで。

迷ってる才人より、決断する凡人

結局、考えれば考えるほどいいっていうのは、無限の時間を想定した場合の話であって、実際のモノゴトというのは、速度こそ全てなわけですよ。限られた時間の中で決断するからこそ価値があるんであって、「国語の問題の二択を、2時間かけて考えたら、100%正解の選択肢を確信できました!」って言う人がいたら、それ正解したことはすごいけど、もうみんな筆記用具しまってお弁当食べてるから。試験としては0点なわけで。仕事でもそう。納期を過ぎたらお金をもらえなくって、時間内に仕上げるから報酬がもらえる。

結局どんな決断でも本質的な部分は変わらなくって。時間というリソースは均一だから、なにかに時間をかければその分、なにかを犠牲にすることになるし、パーフェクトな決断に生きれる人はいないし。100点や100%を待ってたら死ぬまで何も決断できないから。10時間でたどり着く95点より、5分でたどり着く80点の方が、現実的には遥かに価値があるわけで。

仮に自分が平凡な人間だとしても、決断が速ければその分他人より秀でることができるから。それって下手な才能より、よっぽど現実的な能力だと思うんだよね。迷ってる才人よりかも、決断する凡人の方が評価されるってことですよ。

この世の理はすなわち速さだと思いませんか。物事を速くなしとげればそのぶん時間が有効に使えます。遅いことなら誰でも出来る。

『スクライド』

人生がさ、ちょっと待って下さいって言って100年待てるんだったら凄え考え出せると思うよ。だけど時間内に結論出さなきゃいけないから難しいわけでしょ。そういうことですよ。

梅原大吾

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初版:2021/01/22 ―― 改訂: 2021/01/23

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