シュワちゃんのカップ麺の食い方

YouTubeで「’87-92 シュワちゃんCM集」という動画を観ていたのだが、やっぱり西洋人のラーメンの食べ方は、日本人からすると理外のものである。彼らはパスタを食うようにラーメンを食べる。つまり、麺を丸まった束にして口に運ぶのだ。シュワルツェネッガーが特別なのではなく、昔、なんかのテレビでもアメリカ人が同じ食べ方をしていた。

もちろんこの食べ方ではラーメンのポテンシャルを引き出せない。なぜなら麺を束としてホールドして口へ運ぶ間にスープが落ちてしまい、麺とスープの絡みが少なくなるからだ。だから麺は数本を口に運んでから、ズズーっとすすった方が美味しい。日本人は理屈ではなく、習慣としてこの最適解を自然選択している。

聞いた話によると、彼らは仮に日本流の食べ方を分かっていたとしても、すするのが難しいらしい。「麺をすする」という口の運動に慣れないのだ。

実際、アーノルド・シュワルツェネッガーは日清と契約してカップヌードルのCMを何バージョンも撮影していたのに、食べ方はいつも「パスタ食べ」である。というかフォークを使っている時点で「ん?」という感じだが、頑張って箸で食べているときも同じ食べ方をしている。無論、日清の人もCMの主役が奇妙な食べ方をしていることに気づいたはずだから、やっぱりシュワちゃんにはすすって食べるのが難しかったのだろう。

外国人がすすらずに食べるのは、「ギルティを強く感じるから」という意見もネットにあった。ここで私が思い出すのは、そのようなギルティを感じる外国人に対して「日本では盛大な音を立ててすするほど、『美味しいです!』という意思表示になるのだ!」と教育したところ、外国人でも凄まじい轟音で麺をすすれるようになった、というエピソードである。全くその通りだ。昼間のラーメン屋で、店内に流れる薄っぺらいバラエティ番組の笑い声をBGMにして、華厳の滝のように鳴り響くラーメンの吸引音。まるで世の健康ブームに反逆するかのごとくスープを飲み干し、轟く「ごっそさんでしたぁ!」の咆哮。これぞ日本名物である。

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投稿日時: 2020/01/20 ― 最終更新: 2020/01/21
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