本郷キャンパス、安田講堂

東大男子は恋愛市場での価値が高いから、一般にモテると思われているかもしれない。しかし知り合いの現役学生たちには、彼女なしというケースがかなり多い。サンプル数が少ないので、私が付き合いをもっている人たちがたまたま彼女なしという可能性もあるが、少なくとも「モテる」という感じは全然ない。

実はこれは東大という空間が「島」のように閉じやすく(特に1,2年生の通う駒場キャンパス時代)、外部との交流が限られる中で、キャンパス内部における過当競争が起きていることが原因であると、私は考えている。そこにはキャンパス内での偏った男女比が深く関係している。

恋愛はロマンではなく、経済である。すなわち需要と供給というものが、恋愛を左右する決定的なファクターの1つとなる。この点に照らしてみると、以下のような恋愛必勝法が導き出される。

  • 東大男子は他大学の生徒を狙うべし
  • 東大女子は東大内のみで恋愛すべし

どういうことか、1つずつ解説しよう。

男は学内だとモテない

まず東大男子は、東大女子と恋愛すべきではない何故なら東大の男女比はおよそ4:1であり、男子の供給に対して女子の供給が圧倒的に不足する。恋愛は「原則としては」1:1のトレードであるから、女子の競争率は平均4倍である。逆の視点から見れば、東大女子との恋愛において、東大男子の価値は本来の1/4まで希釈され、暴落する。東大内でモテる男子は、よほどのイケメンである。

さらに不味いことに、東大女子に対しては、東大男子の最大の市場価値である「学歴」がほぼ無効化される。東大男子は武装を剥ぎ取られ、裸一貫の、男子そのものの魅力で東大女子に戦いを挑まねばならない。が、元来勉強オタクの集団である東大生たちに、そんな魅力が備わっていないのは明白である。そんなわけで東大男子が東大女子をターゲットにするのは、完全なる愚策。東大女子に対して下心を抱いている時点で、戦う前から敗北していると言っても過言ではない。

結論としては、東大男子は他の大学の女生徒と恋愛すべきである。はっきり言って、東大男子は東大以外の空間であればなかなかモテる。東大生と知るだけでガガッと食いついてくるような御人も中にはいるので、根っからの草食男子たる我々は、逆にビビる。これまで自分たちのキャンパスに引きこもり、東大女子から十把一絡げの雑草のごとく扱われてきた東大男子は、外の空間ではあまりに扱われ方が違うので、目眩すら起こすだろう。

東大男子がモテないのは、彼自身の雄としての資質に問題があるからではなく(まあそういうケースもままあるが)、単に環境が悪い。東大キャンパスはレッドオーシャンであり、恋心は安田講堂を墓標にして死ぬより他にない。

男子は学外に出てデートしよう

東大の外には東大男子に対する巨大な需要があるのに、東大生は東大内部で完結しがちなので供給が行われないのが問題である。経済学風に言えば、東大男子はシグナリングに失敗している。「ここにあなたの求めているものがありますよ」と、何らかの手段で外界に発信し、繋がらなければならない。

これを言うと、奥手の男たちは必ず「でも出会いの機会が~」などと言い訳を始めるが、逆に考えるべきである。外部での恋愛への参入障壁が高いがゆえに、東大男子の需要と供給のバランスが崩れているのだから、逆に参入さえできれば利益を独占できる。どうしても特定の東大女子が忘れられないのなら、卒業後に口説きに行くとよい。東大女子は卒業後は一気に恋愛の難易度が上昇するので、在学中より力関係が好転しているはずである。

女子はキャンパス内で彼氏を作ろう

逆に東大女子は東大男子を狙うべきである。まあ、言われるまでもなく自然とそうしているはずだから、問題はないと思うのだが、東大女子は東大内にいる限り、まずモテる。私は何か大きな問題を抱えていない限りは、東大内でモテない東大女子を見たことがない。しかも相手の多くは男子校出身、かつ勉強ばかりしてきたウブな男子なので、傍目にはほとんど「主人と奴隷」と言っていいほど、哀れなほど力関係に差がある。ただし東大女子はキャンパスから一歩でも外に出ると、自身の学歴が災いして逆に男子が怯んでしまうので、あくまで東大内部をテリトリーとして行動すべきである。

このアドバイスは、東大男子へのアドバイスと背反関係にはない。東大女子に見初められた幸運な東大男子はそのままカップルになればいいし、それ以外の東大男子は積極的に外界へ打って出ればいい。こうしてより多くの東大生が恋愛に成功することで、当人たちはもちろん、収入の高い幸福な家庭に育つ子供が増え、さらに日本も国家として優秀な人材がより多く手に入って、誰もが得をする。このことを考えれば、恋愛をすることは東大生の宿命的な義務と言っても、まんざら嘘ではないのである。

以上のエッセイを、私は中国語作文の授業で提出した。題して「東大恋愛必勝法」。すると中国人講師の方のツボに入ったと見えて大いにウケたのだが、そのまま皆の前で大音量で朗読し出したので、感想文を披露される小学生のように縮こまってしまった。

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投稿日時: 2018/10/14 ― 最終更新: 2019/07/20
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