昔々、なんかのオタクで「僕はどんなジャンルでもそつなくこなします」と自己紹介している人がいて、当時20歳くらいの私は、この表現って上手く言えないけどすごく自画自賛的だなと思っていた。しばらくして似たような場面に出くわしたときに「あっ、“そつなくこなす”って『称賛』なんだ。自分で自分に称賛を浴びせているから滑稽なんだ」と、違和感の正体を言語化できたので、魚の骨が喉から外れたみたいにスッキリしたものだ。

称賛というやつには「他者が投げかけることで初めて評価として効力を持つ」という特徴があって、しかし自分というものが大好きな人間には、その事実をウッカリ見過ごして、自分自身の「解説」として称賛を誤用してしまう人が存外多いのである。

なお若い男に多い自己称賛は「オレはクレイジー」で、若い女に多いのは「私って自由奔放なの」である。

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投稿日時: 2019/10/14
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