Amazonの奥地に潜む野生の名レビュアーたち

ここ最近、Amazonのレビュアーを数人ウォッチし続けている。

Amazonが一種の生活インフラとして定着してから10年くらい経ち、それぞれの商品ジャンルで職人的にレビューを投稿し続ける人が増えてきた。

当初、こういう通販サイトのレビューというのは個々人が散発的に、その場だけのレビュアーとしてポツポツと文章を残すものだと思っていた。Amazonという広大なジャングルに潜むレビュアーたちとの出会いは、一期一会だったのである。ところが最近では投稿数が4桁を超え、毎回面白い文章、詳しい解説、独自の視点からレビューを書く人の存在が目立ってきた。

特定ジャンルの商品を大量にチェックしていると「あっ、またこの人が書いてる。今回もキレッキレの文章だな」と思うことが多くなったのである。そうなると「自分が欲しい商品に書いてあるその人のレビューを読み、その商品を買う」から、さらに進んで「その人のレビュー一覧をチェックして、その人の薦めている商品を買う」という、これまでとは全く逆の経路からの購買も発生してくる。

もう私にとって、彼らは「Amazonのレビュアー」ではなく「Amazonというプラットフォーム上で活動しているブロガー」に近い。私の見るところ、彼らはあくまで自分のサイトやブログを保持しているわけではなく、投稿するという立場なので、ブロガーよりも自由闊達である。SNSウケやGoogleウケを意識しない、そのからっとした文体が魅力的だ。

元々、ネットの醍醐味というのは、有名媒体に依らないこのような野生の物書きとの偶発的な出会い、そして彼らの文章が良いと、レコメンドではなく自分が信じたらからこそ信頼する、パーソナルな発見と信頼にあるのではないだろうか。最近ではSNSのバズに誘導されて特定のサイトばかりアクセスが集中する傾向にあり、このような「野生の物書きとの邂逅」が減っていた。

私はAmazonというジャングルの奥地で、ネットが荒野だった頃の感覚を再び思い出したのだ。

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投稿日時: 2019/09/29
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