引きこもるなら雨がいい

2021/04/14 ・ 雑記 ・ By 秋山俊
カミーユ・ピサロ《モンマルトル大通り春の雨》

2021年4月14日、東京は一日中雨であった。私はこの雨の日を大変愉快に過ごした。なんとなれば、私は一日中家で過ごすつもりだったからである。

一日中家にこもるつもりなら、外が晴れでも雨でも関係ないではないか……っと思う人もあるかもしれない。しかし、家にこもるなら雨に限る。大雨や暴風雨であればなお好ましい。なぜか。外の天候の悪さ、自然の厳しさが一層巣ごもりを肯定し、「家から一歩も出まい。なんなら隣人の訪問にすら応じまい」という反社交的態度が、ますます鼓舞されるからである。

大雨が壁を叩く音を聞きながら読書に励むほどに優れた読書環境はなかなかない。そこでは巣ごもりの安心感と愉悦が、読書を一層愉快なものにしてくれる。逆に、最高の晴天で外に桜も咲いているような3月下旬の空の下だと、家にこもっているのが何となく損しているような、機を逸しているという損失の感がどこかにあり、いささか興を削がれる。やはり天に後押しされて引きこもるのが最高の幸福なのである。

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投稿: 2021/04/14
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