「おにぎらず」という革命

2020/09/21 ・ 雑記 ・ By 秋山俊
ネットのレシピサイトで話題になったが、クッキングパパが元祖らしい
『クッキングパパ』22巻, 講談社, 1991年

私は5年前から「おにぎらず」の熱烈な信奉者を自負している。「おにぎらず」は、ほとんど「おにぎり」の上位互換と呼んでもいい、洗練されたスタイルを備えている。

我々がこれまで苦しめられてきた欠点。米粒の付着、具形の制限、にぎりの崩壊。これらはみな、しかし握り飯の20世紀的な欠陥に過ぎなかった。それらの欠点を克服した「おにぎらず」こそは、未来を担うネクスト・ジェネレーションのおにぎりであり、握り飯のジャンルにおけるインテリゲンチャである。

ついでに申せば、「おにぎらず」という、多分に反抗的で、否定形そのものを背中に刻んだネーミングも、大いに気に入っている。これを食っているだけで世の中に反抗している気がする。革命派という気分になる。

これを書いておきながら、私は「おにぎらず」が流行しないことを密かに願う。何となれば、アンチテーゼの旨味はまさに、その対抗的ポジションにあるからで、マジョリティとして達成された革命運動は、ただの新たな体制に過ぎないからだ。そうなったとき、きっと「おにぎる」のような、新たな反乱分子が立ち上がるに違いないのである。

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投稿: 2020/09/21 ― 更新: 2020/09/23
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