梅原大吾『ウメハラコラム 拳の巻 ~闘神がキミに授ける対戦格闘ゲーム術~』

ウメハラが月刊『アルカディア』に連載していたコラム「ウメコラム」を集成した神本『ウメハラコラム 拳の巻』(’13)の商品レビューを、たまたまAmazonで読んだら、世にも奇想天外な星1レビューが載っていて爆笑してしまった。

読んでいて、恥ずかしいというか、情けないというか、何とも言えない気持ちになってしまい、途中で読むのを止めてしまった。金をドブに捨てたような気分だ。こんな本を買ってしまった自分自身が腹立たしいし、一生のトラウマになりそうだ。

過去に、著者が話している動画を何度か観たことがあり、いつも同じ印象を抱いていたが、それが間違ってはいなかったことを確信した。

著者は格闘ゲーム以外の事は殆ど何も知らない、知識も教養も人生経験も不足している人なのに、そんな人が格闘ゲーム以外の事を語れるはずがない。にもかかわらず、そんな人を担ぎ出して金儲けをしようとする編集者とカドカワ(エンターブレイン)には失望した。おかげで、eスポーツに対しての関心が急速にしぼんでしまった。

本書の中で、
「また今月も、質問のハガキが来ておりませんが・・・」
「格闘ゲームのために何かしらの形で貢献したい」
というような文章があるが、何故ハガキが来ないのか、どういった事をすれば貢献できるのか、私はその答えを知っているが、それは書くまい。

格闘ゲームマニア以外の人達にとって、何の存在価値も無い本

Amazonには実にバラエティに富んだぶっ飛びレビューが存在するもので、私なんかはそれらを読み「世の中にはワケワカラン感性を持つ人がいるんだなァ」と感心することしきりなのだが、このテキストはその中でも、意外性と語りの熱量の点から、最高傑作の部類に入ると思う。

「そんな人が格闘ゲーム以外の事を語れるはずがない 」と書いてあるが、そもそもこの本は生粋のゲームジャンキー向けに作られた雑誌のコラム集であり、ゲームのことばかり語っているのは当たり前であるし、ゲーム以外の語りなど元来求められていない(まず副題からして「 闘神がキミに授ける対戦格闘ゲーム術 」なのだが)。この時点で、まるでラーメン二郎に入店してきた人が「ラーメン以外のものは作れないなんて、所詮ラーメン屋だな!」と勝手にキレて退店しているかのようで「ポカーソ」と呆然、その後に笑い転げるしかない。

ハガキが来てない理由?単にアルカディア誌の(格ゲーの)読者数が少なかっただけであろう(この後、同誌は休刊となった)。格ゲー自体がずっと下火でスト4ブームも落ち着いてきた頃なので、雑誌中のこんなマニアックなコラムにハガキが来ないのは仕方ない。普通の雑誌はそういう時、ハガキを捏造して話を進めるのだが、このコラムではそれを自虐として正直に書いているだけである。にも関わらず「私はその答えを知っているが、それは書くまい。」と断言してみせる謎の確信の深さ。

とにかく全体として全く予想外の方向から理解不能のスカラー量を秘めたクレームがついており、むしろ1つの面白テキストとして完成された作りになっている。こういうのはレビューのシュルレアリスムと呼んでもいいと思う。

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投稿日時: 2019/08/07 ― 最終更新: 2019/08/08
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