『ペルソナ 2』と父権制と西洋人

2020/12/29 ・ eスポーツ ・ By 秋山俊
『ペルソナ 2 罪』

少し前のことだが、海外の『ペルソナ 2 罪』のラスボス戦を録画したYouTubeコメント欄にて、「こいつらは一体何と戦っているんだ?」という議論があった。

『ペルソナ 2 罪』のラスボス、「グレートファーザー」は、高校生の主人公らの畏怖する父親像の精神的融合体である。主人公たちは、最後にこの「父親」と対決する。つまりこの対立の構図は、「自由と独立を欲する高校生」と「その彼らの幼児記憶と財布に、まるで蛇のように絡みつく父親」というものであり、戦闘の勝利によりファーザー・コンプレクスを克服する、という隠喩が込められている。

ところがその動画にコメントをしていた彼ら(英語で長々と話していたので、恐らく西洋人)に言わせると、この対立は全くナンセンスだというのである。「そんな対立は最初から存在しない。オレは既に自立している」っと。彼らの社会において、父権制なんてものは半世紀以上前に崩壊しているのだ。

このような困惑に対し「アジアの社会では、父親の支配というものが長く続いており……」と、長文で解説コメントまでしている人がいた。一応、私もアジアで生まれ育った人間なので、このラスボスが表象するものはすんなりと受け入れられたが、文化が違うとそんなことまで一から説明しないといけないのかと、なんだかおかしかった。もっとも、私の世代においても既に父権制は崩壊して久しいので、このラスボスのコンセプト自体が最初から古めかしかったのだが。

このゲームはきっと、インドでウケる。しらんけど。

初版:2020/12/29

同じテーマの記事を探す