2021年11月24日 / 『ブレードランナー』は年4回で十分ですよ!

2021/11/25 ・ 日記 ・ By 秋山俊

そう、私は今宵、再びあの「愉悦」に手を伸ばしたのだ。『ブレードランナー』ファイナル・カット UHD BDを自宅で耽溺するという「愉悦」に……やはりあのタイレル・コーポレーションでレイチェルが、デッカードの尋問という名のセクハラに耐えながら、それでも精神を奮い立たせてキッと相手を見据え、勝ち気に見えてその実臆病かつ繊細な精神を覆い隠す心の煙幕として吐き出す煙が、人工の瞳の黄金の前で妖しくゆらめき、その二人の性的な対峙を燃え尽きる直前の太陽が静かに見守っている様子、これら全てのニュアンスを抜かりなく表現するためには、HEVCで90Mbps以上のビットレートが必要なのだ……。HDRは映像の太陽なのだ……。

サイバーパンクとは文化のコラージュなのだ!いまだにほとんど全てのSFが『ブレードランナー』のネオンの光の域内にとどまっている事実を考えるに、やはりこれは直近40年において最大のSFであると言えるだろう。そう、40年だ。1982年にリドリー・スコットが、SFの世界に巨大なディープ・インパクトをもたらしてから早40年。これを記念して、全国のIMAXシアターは再び『ブレードランナー』IMAX上映を敢行すべきだ……そう思わないか?

リドリー・スコットの作家としての卓越は、画面をディテールで覆い尽くす際のスキのなさだ。リドリー・スコットの画面は決して箱庭的にはならない。それは一個の世界なのだ。

初版:2021/11/25

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